看護師として働くなかで、転職して給料アップさせたいと考える人は多いでしょう。看護師が給料アップを目指す場合、給料を上げる方法を知ったうえで転職活動を行う必要があります。
今回は、看護師の平均給与や給料が高い職場などを紹介し、給料をアップさせる具体的な方法を解説します。転職時に、給料アップを相談するときの交渉術もあわせてみていきましょう。
厚生労働省によると、看護師の平均年収は491万8,300円(月収33万8,400円・ボーナス85万7,500円)でした。
ただし、勤続年数や働く場所などによって、給料の金額は変わります。まずは、「男女別」「新卒看護師」「勤続年数」「医療施設の規模」に分けて詳しく紹介します。平均よりも収入が低いようであれば、転職によって年収アップできる可能性は十分あるといえるでしょう。
男性と女性の平均年収の差は約15万円であり、性別による年収差はほとんどないといえるでしょう。
性別 | 平均年収 | 平均月収 |
男性 | 505万9,000円 | 34万9,300円 |
女性 | 490万200円 | 33万7,000円 |
※「きまって支給する現金給与額」を用いて算出
他方で、年齢別の年収では、ほぼすべての世代で男性のほうが、年収が高い結果 が出ています。女性は結婚や育児で離職する人が多く、男性は勤続年数が長くなりやすい・キャリアアップを目指しやすいことが関係していると考えられます。
看護師資格を取得するためには、「4年制の大学」または「3年制の短大・専門学校」を卒業する2つの選択肢があります。データを見る限り、看護師のなり方によって初任給には大きな違いはないことが分かります。
給与総額 | |
大卒 | 27万292円 |
高卒+三年課程卒 | 26万2,277円 |
参考:日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」
給与総額には、住宅手当・夜勤手当・当直手当・家族手当など各種手当が含まれていまが、時間外勤務の手当は入っていないため、実際の金額はもう少し高いことが想定されます。
看護師は、勤続年数が長くなるほど給料が上がる傾向があります。下記からも分かるように、年齢に限らず、長く務めるほど年収は上がります。
看護師の勤続年数の平均は8.9 年。大きく年収を上げたい場合は15年以上務められる、自分に適した職場を選ぶことが重要だといえるでしょう。
経験年数 | 平均年収 |
1~4年 | 397万900円 |
5~9年 | 430万4,200円 |
10~14年 | 457万1,500円 |
15年以上 | 510万3,500円 |
参考:厚生労働省「令和2年 賃金構造基本統計調査」
医療施設の規模が大きくなるほど、受け取ることができる年収が上がる傾向があります。そのため、より従業員数・病床数が多い大規模な医療施設で働くほうが、給料アップを目指しやすいといえるでしょう。
企業規模人数 | 平均年収 |
10人~99人 | 456万800円 |
100人~999人 | 479万7,700円 |
1,000人以上 | 521万5,500円 |
※「きまって支給する現金給与額」を用いて算出
病床規模 | 平均税込給与総額 |
99床以下 | 30万8,659円 |
100~199床 | 31万3,752円 |
300~399床 | 32万9,135円 |
500床以上 | 34万6,300円 |
参考:日本看護協会「2020年病院看護実態調査報告書」
年齢や医療施設の規模によって違いがあるように、医療施設の種類によっても給料に一定の傾向があります。
ここでは、看護師の職場として代表的な上記7つについての給料について解説します。
大学病院で働く看護師の平均年収は約490万円。大学病院は好待遇なケースも多く、総合病院に比べて平均給与が高い傾向があります。
「診療科の数が多い」「夜勤や時間外勤務で手当が付きやすい」「専門的知識や先端技術が必要とされる」などの理由から、他の職場より比較的高い給料を受け取ることができるでしょう。ただし、心身ともに負担が大きい業務が多い点は留意が必要です。
総合病院の看護師の平均年収は約460万円です。総合病院の年収は、大学病院に比べると下がってしまうものの、他の職場よりは高水準にあるといえます。
総合病院は、大学病院ほどではありませんが病床数が多く、基本的に夜勤業務があるため金額が上がりやすいと考えられます。大規模な病院となれば十分給料アップが狙えるでしょう。
クリニックに勤務する看護師の平均年収は約390万円。大学病院や総合病院に比べて平均給与は低くなります。
一方で、入院設備がなく、外来のみの勤務で夜勤もないため、業務量は比較的緩やかです。プライベートな時間を確保しやすいため、金額よりも家庭と仕事の両立を目指す看護師に向いています。
介護・福祉施設の看護師の平均年収は約370万円です。健康や薬の管理など利用者の日常生活を総合的にサポートする業務が中心となり、医療にかかわる仕事は少ないことが関係していると考えられます。
介護の専門的知識やスキルが求められる一方、夜勤業務はなく、残業も少ない職場なので、プライベートな時間も重視したい看護師に向いています。
一般企業で働く看護師、いわゆる産業看護師の平均年収は、約450万円と高水準です。健康診断やメンタルヘルスケア中心の業務は負担が小さく、勤務時間も規則的。ワークライフバランスも取りやすいといえるでしょう。
ただし、好待遇なだけに求人数は少なく、求人倍率も高いため、採用されるのが難しい側面もあります。採用されやすくするために、保健師の資格を取得するなどプラスαの知識やスキルが必要となります。
保育園や保育所で働く看護師の平均年収は約350万円。金額は他の職場に比べて比較的低い傾向にありますが、残業も少なく、夜勤もないため、働きやすい職場といえるでしょう。
子どもたちの健康状態の確認や応急処置が主な業務で、心身ともに負担は小さいといえます。臨床の道に戻る予定のない、子ども好きな看護師に人気の職場です。
保健所や保健センターに勤務する看護師の平均年収は約400万円。クリニック・保育園・介護施設などよりも給料は高い傾向があり、地方自治体の施設なので公務員として安定した給料と待遇が期待できます。
ただし、募集数は非常に少なく、保健師のほうが比較的募集が多いため、保健師の資格を取得しておくほうがよいでしょう。
看護師の給与の内訳は、主に下記の3つで構成されています。
看護師の転職では、いずれか1つでも金額を上げだけでも、十分給料アップが可能です。さらに、すべての金額を上げることができれば、金額の大幅アップも狙えるでしょう。
最後は、給与の内訳に着目し、看護師が転職で給与をアップさせる方法を紹介します。
手当を受け取りやすい働き方は、給料アップに有効な手段です。看護師の手当には、夜勤手当・住宅手当などの基本的な手当のほかに、実にさまざまな種類があります。
とくに、専門的知識を必要とする業務や負担が大きい業務には、大きく手当がつく傾向があります。現在の職場でも転職先でも、夜勤業務を増やす・手術室に勤務するなど手当が付く働き方をすれば、給料アップを見込めます。さまざまな手当を受け取るには、各種手当や福利厚生がしっかりとしている大学病院や総合病院などを転職先に選ぶとよいでしょう。
専門資格や知識を身に付けることで、給料を上げることができます。認定看護師や管理看護師の資格は、現場のスペシャリストとして活躍が期待されることから、資格手当が付くうえ、基本給もアップします。
医療業界・病院全体を視野に入れて高度な看護を提供する専門看護師は、取得者数が非常に少なく、希少価値も大きくなるため、大幅な給料アップが期待できます。また、資格を取得しなくても、ジェネラリストとして幅広い専門的知識やスキルを保有することで、給料アップを見込めるケースもあります。
看護師のキャリアアップでは、管理職を目指すという道もあります。副医院長・看護部長・看護師長・主任などの管理職に就くことで、役職手当が付くうえ、基本給の大幅アップを見込めます。
現場での活躍を認められ、推薦されて管理職に就くケースが一般的です。国公立系の病院では、推薦を受けた看護師が管理者研修を受講、認定試験・面接をパスしたうえで管理職に就きます。管理職を目指すのであれば、現場経験やマネジメント能力など幅広いスキルや経験を身に付ける必要があります。
転職するときは、給料交渉によって給与を上げられるケースもあります。ただし、効果的に給料交渉を行わないと、給料アップが実現しないだけでなく、転職先が全く決まらない可能性も。
給料アップにつなげるためには、給料交渉をしやすい職場を見極め、有効な方法を実施する必要があります。
個人経営や療養型の医療施設などは、比較的融通が利きやすく、給料交渉に応じてくれる可能性も高いといえます。また、訪問看護ステーションなどの新しい形態の看護職は、即戦力になる人材をすぐに欲しいケースも多く、給料交渉も行いやすいでしょう。
一方で、大学病院や総合病院などは、給料形態が院内の規定に沿って定められている場合も多く、給料交渉は難しいといえます。
<給料交渉が成功しやすい職場>
<給料交渉が難しい職場>
給料交渉といっても、面接時にいきなり「月収○万円を希望します」とは言いづらいもの。そこで、給料交渉の際は、比較対象となる基準の給与額を提示しましょう。
以前の職場や内定をもらっている別の職場の給与額など、具体的な数値を提示することで交渉が行いやすくなります。給料交渉のタイミングは、面接時ではなく、自身が先方の求める人材であると分かった採用通知をもらったあとがよいでしょう。
自身での給料交渉に不安がある人は、看護師専門の転職エージェントにサポートしてもらうのがおすすめです。客観的立場から経験やスキル、実績など自分の価値を伝えてもらうことで、給料交渉が成功した例が多数あります。
看護師が給料アップを目指す場合は、転職がおすすめです。しかし、転職先は給料面だけでなく、業務内容や業務量・各種手当・ワークライフバランスなどさまざまな面をふまえて総合的に判断する必要があることは留意しておきましょう。
転職に困ったときは、まずは転職エージェントに相談してみてください。好待遇の職場を紹介してくれたり、給料交渉を任せられたりと、納得のいく転職ができるでしょう。
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